納棺師による「納棺の儀」とはなんでしょう? どんな事をするのですか?

前々回に「葬儀の流れ」についてお話いたしましたが

本日はその中の「納棺」についてご説明いたします。

 

納棺師による納棺を希望された場合は下記の3つからご遺族様にお選びいただいております。

①湯灌

②古式湯灌

③メイク納棺

「湯灌」とはなんでしょうか?

古くはインドの儀式の際に行われていた風習が中国を経由し、日本に伝わって来たと言われています。

江戸時代には死体検案の際に住職の立ち会いのもとで行われたようです。

現在では、亡くなられた方の今世での思いや穢れをお湯と共に洗い清め、お身体を整えて、無事に天国へ行けますようにとお見送りいたします。

弊社の納棺スタッフは「この世でのお疲れやご苦労を洗い流して、あちらに旅立っていただきます」とお声掛けをして納棺の儀を始めております。

エンゼルケア」と「納棺師による納棺」の違い  

「エンゼルケア」とは、患者様が亡くなられた後に葬儀社に引き継ぐまでに病院が行う処置で、一時的に故人様の状態を保つために行われる「死後処置」です。

 

「納棺師による納棺」とは故人様を通夜・告別式まで、生前に近い形でお別れ出来るように納棺師によって整えする「保護処置」です。

「保護処置」を施した故人様はご生前のお顔に近づき、ご家族はもとより、式にいらっしゃる皆様も安心して故人様にお別れできます。

 

病院できれいにしてもらったから大丈夫とお思いかもしれませんが、故人様の状態は時間と共に変化していますので弊社としては「納棺師による納棺」をおすすめしております。

 

「納棺師による納棺」のそれぞれの特徴

【湯灌】

①専用の浴槽とシャワーを使いながらお身体や髪を洗い流します。

②末期の水:ご家族の方が故人様の口元を水で潤します。

③お好きだったお召し物にお着替えします。

④ご遺族の皆様と共に故人様にメイクをします。

 

 

男性だからメイクはいらない?とお思いかもしれませんが、長い闘病などでお肌が乾燥して荒れてしまったり、色白になられたり、髭も剃ることも出来ずに亡くなられる事もございます。

生前の面影に少しでも近づけるようにとメイクやヘアセットをいたします。

【古式湯灌】

①お身体を拭き清めます。

②末期の水:ご家族の方が故人様の口元を水で潤します。

③ご遺族の皆様と共に故人様にメイクをします。

【メイク納棺】

①末期の水 ご家族の方が故人様の口元を水で潤します。

②お顔に剃刀を当て、髭やうぶ毛を剃ります。保湿後にラストメイクを施します。(状況に応じ、含み綿や鼻毛切りも)
納棺専用の化粧品を使用いたしますが、ご愛用の口紅やネイルがございましたらお声掛けください。

口紅を差すだけでも表情が変わります。ましてやいつもお使いだった口紅ならば、いつもの笑顔が甦るようで同席されたご遺族の皆様がとても場面でもあります。

 

ご遺族様のお気持ちに沿った葬儀をさせていただいております京典では、納棺の際には白装束ではなく故人様がお好きだったワンピースやスーツを着せて差し上げる事も出来ます。

不明な事やご要望がございましたらお気軽に弊社のスタッフにお問い合わせください。

納棺の最後にお好きだった留袖をお入れしました。

その上に、袖を通すのを楽しみにされていたお気に入りに訪問着をお入れしました。

その際は「逆さ掛け」にいたします。裾模様が首元に、お袖模様が足元に来ます。

 

【とある納棺師さんのお話】

※とある納棺師の方にお話しを伺いました。※

私がこの仕事に就こうと思ったきっかけは、10年前に祖父の納棺式に立ち会った時の感動からです。

私は祖父が大好きでしたので、亡くなった事をなかなか受け止められずにいました。

その日も納棺師さんの行う作業を呆然と眺めていました。

厳かな雰囲気の中、美しい所作と共に段々と整えられて行く祖父の姿を見ているうちに

硬くなった私の心が溶けていくのを感じました。それと同時に祖父との思い出が次々と浮かんで来たのです。

死イコール不幸、寂しいといったマイナスな感情が、祖父と共に楽しいひと時を過ごせたことへの感謝の気持ちに変わり、生きる希望さえ湧いて来ました。

ちょうど進路について迷っていた時期だったので、私がこの仕事をする事で悲しい気持ちでいっぱいのご遺族の方々に少しでも安らぎを与えられたらと思い、勉強を始めました。

これはきっと祖父が導いてくれたのだと思います。

そして亡くなった今もずっと祖父が見守ってくれていると日々感じております。